中国・インドなどかつての発展途上国が世界経済をリードする時代。その一方、最貧国を抜け出せない国々がある。アフリカである。そこに住む10億人がなぜ貧困に追いやられているかを分析し、その対策をまとめた1冊。著者は世界銀行出身のアフリカ経済の世界的権威だ。 アフリカを取り巻く4つの罠(わな) 著者は4つの罠(わな)を指摘する。 紛争の罠。内戦による損失は600億ドルを超すという。ソマリアやコンゴ共和国など、内戦とクーデターの繰り返しにより、平和時の経済成長を消してしまっている。一時的に停戦しても、武器は残るから治安は劣化したままだ。 天然資源の罠。ナイジェリアやセネガルなど、豊かな資源によって安易に利益を得られることで、むしろ経済は停滞するという。コーヒーブーム時のケニアでは国家予算を何倍も振る舞うが、その後の暴落時に支出を減らせなかった。 内陸国の罠。中央アフリカ・ウガンダなど、資源のない内陸