CPUの構造そのものについては第1回で説明したわけだが,PCというのはCPUだけで動くものではない。CPUだけいたずらに高速化しても,周辺が遅ければPC全体は遅いままだ。第2回では,CPUとその周辺が,どうやって高速化してきたか,そして,最近のCPU高速化トレンドは何かを説明していこう。 第1回で説明した内容は,CPUの構造と,それをいかに高速化するかというものだったが,CPUそのもの“だけ”が速く動作しても高速化には限界がある。前回同様,メイドさんに登場してもらうが,例えば邸宅の主人から「○○というワインを持ってきて」という命令が出されたとき,そのワインが邸宅から遠く離れた,港の倉庫にあったとしよう。こうなると,メイドさんが仮に通常の3倍の速度で動けたとしても,交通手段が等倍速であれば,港へ行って帰ってくるだけの時間はそのまま主人にとって待ち時間となる。移動中に裁縫などといった別の作業が