フィリップ・ベイリーと言えば、アース・ウィンド&ファイア(以下EW&F)のヴォーカリストで、名曲「Fantasy」などでの印象的なファルセットでお馴染みだが、新作『Love Will Find a Way』ではロバート・グラスパーに、カマシ・ワシントン、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、ケンドリック・スコットと現代ジャズシーンの最重要人物たちとコラボレーションしていて、前情報の時点で驚いてしまった人も多いだろう。ただ、これにはそれなりの理由があり、このコラボレーションが驚きを伴うものでありつつも、自然なコラボレーションだった。その理由をここでは説明していこうと思う。 そもそもEW&Fはジャズと関係が深いグループだったというところから始めたい。まずリーダーのモーリス・ホワイトが元ジャズ・ドラマーなのだ。モーリスはソウルジャズの名ピアニストとして知られるラムゼイ・ルイス・トリオのメンバ
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