万九郎は今、鬱蒼とした密林の中に居ます。 密林は延々と続き、果の見えない大森林を、形作っています。 ############################ 「割と、楽だな」 すべての木々が、とても高く、太い、大木になっているため、雑草もありません。 光は差さず、夜のように暗いのですが、魔導で鍛えた万九郎の目は、はっきりと視覚します。 太い木の根にさえ注意すれば、ずいずい進めます。 ############################ 自衛隊からも、演習地としての潜在性を、評価するように依頼されています、 特徴のある大岩や、おそらく川へと繋がる渓谷を、記憶に留めるだけでなく、iPhoneで社員を撮ったり、メモを書いたりしています。 そうすることで、同時に、帰りが易しくなります。 万九郎は、ひたすら歩いています。 もう、何日歩いているのか、分からなくなりました。 ############