テキサス州オースティンにある波板の外壁の建物に入ると、その奥には小さな醸造所がある。金曜日、または土曜日の夜に行けば、テイスティングをしたり、ローンチェアでくつろいだりしている常連客たちの姿を見ることができる。醸造家のジェフ・ベルが作業中なら、ホップやスモークチップの香りが漂っているかもしれない。 だが、「クラフトビールと酒の醸造にはつながるところがある」と話すベルがここで造っているのは、ビールではない。地元のストレンジランド・ブリュワリーが2015年に創業者からテキサス・サケ・カンパニーを買収して以来、ベルはここで、日本酒の醸造に携わっている。 米国でも日本でも、そしてその他のどの国でも、「日本酒の世界」では多くの変化が見られる。米国では発酵食品に対する関心が大幅に高まる中、クラフトビールというすでに確立された世界に入る人たちがいる一方、コンブチャ・メーカーなどは、新たな分野を開拓しよう