アニメのテレビ東京――。こう称されるほど、アニメ業界において存在感が大きいのが同社である。実際、民放地上波キー局で最大のアニメの放映枠数を持っていることに加え、ヒット作の多くが同局発の作品だ。 「新世紀エヴァンゲリオン」「ポケットモンスター」シリーズをはじめ、数々の大型ヒット作品を生み出してきた同局の岩田圭介・メディア事業推進本部コンテンツ事業部次長兼アニメ事業部長に、今回から3回にわたり、今のテレビアニメ界の全体像を解説してもらおう。 DVD市場が踊り場にあるとはいえ、まだ将来のヒットを狙った投資の意欲は衰えていないようです。実際、アニメは当たれば大きなリターンがあります。 映像だけではなくゲームや玩具といった商品展開もあるので、タイトルにもよりますが国内だけで数百億円、ワールドワイドでは数千億円規模にも上ることもあります。 こうした規模のアニメビジネスの成否という観点からすると、単発の
世界の映像クリエーターをうならせた「攻殻機動隊」シリーズを、看板タイトルとして持つプロダクション・アイジー(I.G)。スタジオジブリと並んで日本製アニメのトップブランドとして評価される作品の品質とともに、堅実なプロダクション経営でも定評がある。社長の石川光久氏に話を聞いた。 ――ここ最近のアニメ業界ではあまり元気のいい話が聞こえてきません。「イノセンス」「スチームボーイ」「ハウルの動く城」といった大作が公開された2004年が、いろいろな意味でピークだったのではないかという声もあります。実際、どう感じていますか。 2006年は「静か」という見方もあるかもしれないけど、むしろ業界としてみたら成熟した年だったとも言えるよね。 ――その“成熟”という言葉はどういう意味なんですか? 1つ例を挙げると、アニメ制作会社における利益構造の確実性が問われたってことじゃないかな。 安定した利益なくして投資なし
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