「雨に濡れた子犬を革ジャンで抱きかかえる」という場面が思い当たるだろうか。 世代にもよるだろう。物語において不良がヒーローとして扱われた時代にそのような描写が流行ったのだと思う。(あの恐ろしい不良が! 誰も見てないところで! 雨に濡れたかよわい子犬を! 大事な革ジャンで! 自分は傘もささずに!)と、かんたんに言えば悪い人が良いことをするギャップによるかっこよさである。 もちろんそうした場面を私たちは見たことがない。誰も見てないところで善行を積むのが不良だからだ(見ているところでやってたら善行積むわ不良行為するわのただの気まぐれな人である)。 そうした場面を意図的に作り出してみよう。仲間内で革ジャンを持っていた者に被写体として協力してもらった。