「ところで、何を売りたいんですか?」 新規事業を検討する打ち合わせの中で、こんな質問を投げかけてしまった。 「世の中にどのようなニーズがあるかは分かりました。皆さんが、何ができるかも分かりました。でも、それをどんなビジネスに仕立てようとしているのでしょうか。」 まだそこまでは考えていないとのこと。 「一般論としての世の中のニーズは分かります。しかし、具体的に、だれが、どのようなシーンで、何に困り、どのようにしたいと考えているのでしょうか。その実感を持っていらっしゃいますか?」 リアリティのある「使う人」が想像できないビジネスがうまくいくはずのないことは、容易に想像がつく。それにもかかわらず、自分たちのできること一般論を都合良くつなげて、新しい事業を描き、あたかも大きな可能性があるかのような合理性のある事業計画を作ってしまう。そんな現場に幾度となく立ち会ってきた。なぜ、そんなことをしてしまう