●『ケータイを持ったサル』や『考えないヒト』(いずれも中公新書)などの著作で有名な京都大学霊長類研究所の正高信男教授は、「ケータイに代表されるIT社会の到来によって、日本では国民の均一性、斉一性がますます強化されてしまった」点や、「人間同士の足の引っ張り合いや、誹謗中傷が激しくなった」こと、さらには「人が物事を深く考えなくなったり、引きこもりが増えた」等々、数々の弊害が出ていると警鐘を鳴らす。 ●なぜ、そのような現象が起きているのか。それを回避する方法はあるのか。今後、日本人はITとどのように向き合っていったらよいか──これらの点について、正高信男教授に話を聞いた。 日本人にとってケータイは“自我の一部” ──正高教授は著書『ケータイを持ったサル』や『考えないヒト』などの中で、日本ではIT社会の到来によって、様々な弊害が起きていると警鐘を鳴らされています。なぜ、弊害が起きているのか、考え