アメリカの高速道路は広い。その広い高速道路が毎朝,大渋滞する。Rick Woodburyはうんざりしながら考えた。「この渋滞をなくすには,もう一本ハイウエイを作るしかないな。だけどお金がかかりすぎて無理だろう。今ある道路の補修だけでも,州政府は予算が足りないと言っているくらいだ。だいたい,この渋滞に並んでいる車にはどれも1人しか乗っていないじゃないか。だったら,みんなヨーロッパや日本みたいに,もっと小さい車に乗ればいいんだ」。 Rick Woodburyが偉かったのは,アメリカ人なら誰でも一度は思ったことがあるこのアイデアに,自分一人で挑戦したことだった。「広い道路がなくてもスイスイ移動でき,どこでも自由に駐車できる渋滞知らずの都市型コミューター」のアイデアに取りつかれたRickは,独学で自動車づくりに挑戦する。 まずは車体設計。クルマの横幅はほとんどが1.5~2mで,必ず横に2人が並んで