政府のポイント還元制度を追い風にキャッシュレス決済が浸透してきた。注目度が高いのはスマホを使ったQRコード決済。サービスが乱立し、ポイント還元率の高さで利用者ひきつけるシェア争いが話題だ。一方、その陰で目立ちにくいが、同じキャッシュレス分野で3月末に向けて確実に進む動きがある。クレジットカードのセキュリティー対応だ。【毎日新聞経済プレミア・渡辺精一】 ◇IC化で取り残された日本 クレジットカードは、近年、情報漏えいや不正利用が問題になっている。日本クレジット協会によると、カードの不正利用被害額は2018年で235億円と12年の68億円から3倍以上になった。その8割は番号盗用。カード情報を盗み出し、それを基に通販サイトで高額品を買いあさるような手口だ。 実店舗では、カードの磁気ストライプを読み取る決済端末に仕掛けをして、情報を盗むスキミング被害がある。ネット上では、ショッピングサイトにサイバ