可哀想な人には手を差し伸べましょう。 けれど、私だって困っている。だからまずは誰か私を助けてほしい。 多くの人がそんな風に感じてしまっている世の中ではないかと思う。 私はおそらく、同年代の平均と比較すると、多少収入が多いし、身体も健康なので、世間一般から見たら恵まれているとみなされる立場にいるのかもしれない。 けれど、ゲイの世界にいると、イケメンでもマッチョでもない自分は、とても価値が低い存在なのではないかと思えてしまうことがある。 恋愛弱者である自分こそ保護されるべき対象なのではないだろうかと、恋愛強者に会うたびに、そんな想いに包まれてしまう。 最近、長いことパートナーがいるゲイの方にお会いする機会がいくつか重なった。長い人だともう10年ほど付き合っているお相手がいて、私は彼らの話を聞きながら「いいなぁいいなぁ」とアホのように相槌を繰り返すことに徹していた。 20代から30代という瑞々し