孤立出産の末に死産した子の遺体を遺棄したとして、ベトナム国籍の元技能実習生が死体遺棄罪に問われた裁判で、最高裁は今年3月、逆転無罪とする判決を言い渡しました。女性の主任弁護人だった石黒大貴弁護士(熊本県弁護士会)は、多くの新生児遺棄事件が「無責任な母親の問題」とされ続けていることに強い違和感があるといいます。その理由を聞きました。 丁寧にタオルにくるみ、箱に入れて安置 技能実習生だった女性は、自宅で死産した双子の遺体をタオルに丁寧にくるみ、箱に入れて棚に安置していたことで死体遺棄の罪に問われました。収入の多くをベトナムの家族に送金しており、妊娠が発覚したら仕事ができなくなるのではないかと考えていました。 異国の地で言葉もままならず、制度の理解や援助も十分ではなく、誰にも相談できないまま、孤立出産に至ったのです。そのような状況でとった行動を簡単に罪に問えば、困難な状況にいる女性たちがますます