第三章 日本語論 一.あふれるカタカナ語の姿 我々の周りには英語や英語風の名前があふれています。官公庁も英語風の名前が好きなようです。私の住んでいる町の例をあげると「ハローワーク」(職業安定所)、「サンハート」(勤労婦人センター)、「サンエール」(男女共同参画センター)、「ハートピア」(身体障害者福祉施設)などがあります。ハローワーク、サンハート、サンエール、ハートピアは英語ではなく、単に英語風のまがい物です。これだけでは意味が通じないので括弧内に書いている漢字名を言わなければなりません。英語への憧れ、英語に対する劣等感を官公庁が表明しているようなものではないでしょうか。 マンションの名前もほとんどが意味不明の西欧風の名前がついています。日本人にはなかなか覚えられません。覚えてもらえないことより、西欧風の名前にして高級感を出した方がいいと考えているように見えます。クレヴィータ高麗橋、エイ