人口33万人の小さな孤島アイスランドでは、フランスの4倍の書籍が出版されており、大統領選にも文学が介入するという。なぜアイスランドは書籍大国になったのか。その理由を現地で探ったら──。 アイスランドの首都レイキャビクは、人口12万人。2011年には、ユネスコによって「文学都市」に認定された。レイキャビクに足を踏み入れると、この国が保持している数々の記録が現実となって押し寄せてくる。 アイスランドは、地球で最も新しい溶岩台地だ。山岳ガイドが必要とも言われる。10世紀から国会があり、世界最古の民主主義国だ。最も安全で性差別の少ない国でもある。島民については、大麻の栽培率とコカコーラの消費率が最も高く、映画館に行く回数が最も多い。 このような記録の多くは、人口比で見たものであり、アイスランドの人口の少なさに起因する。 第二次世界大戦中、アイスランド軍は230人の死者を出したが、そのほとんどは海難