「彼とは毎週のようにランチをともにする仲なので、かなりの情報が事前に入ってきます」 いまから3年ほど前の2004年、都内某ホテル。携帯電話の業界関係者が数人集まった席で、ある有名携帯電話コンテンツプロバイダ(CP)の戦略立案担当者は、得意げにこう語った。 「彼」を指す携帯電話キャリア幹部との「親密な関係」を打ち出すことは、「急成長市場の携帯電話コンテンツでビジネスをしたいが、その方法が分からない」と悩む事業者にとって、きわめて魅力的に映る言葉であると知っているためだ。実際、こうした悩みを抱える事業者は少なくない。 しかしこのことは逆に、携帯電話のコンテンツビジネスは、一部の人にしか知りえない情報の所有者に、業界全体が牛耳られてきたことを意味する。 公式サイトの掲載基準は「暗黙知」 ディー・エヌ・エーが運営する「モバゲータウン」の躍進などで沸き立つ携帯電話コンテンツビジネス。しかし、依然とし