8日付の中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報は1面で、王毅外相が7日にフィリピンで河野太郎外相と会談した際、河野氏が頭を下げて握手した瞬間の写真を掲載した。王氏は河野氏の南シナ海問題での発言に「失望した」と非難しており、厳しい態度で初会談に臨んだと国内向けに宣伝している。 習近平指導部は、人事を伴う5年に1度の共産党大会を秋に控え、対外的に弱腰な姿勢を見せれば、党内で批判を招きかねないとの事情がある。北京の外交筋の間では、王氏の強硬な言動は「党の上層部に向けたアピールだ」との指摘が出ている。 環球時報は8日の社説で、南シナ海の海洋紛争に深刻な懸念を表明した日米豪3カ国の声明に触れ「彼らは南シナ海問題の当事国が意見の違いをコントロールし始めたのを見たくないだけだ」と主張。「日本が中国と張り合いたいなら直接かかってこい」と挑発した。(共同)