今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大教授で、同大iPS細胞研究所長の山中伸弥さん(50)は10日、読売新聞の単独インタビューに応じた。 iPS細胞(新型万能細胞)から様々な臓器の細胞を作り出し、患者へ移植する臨床研究の実施について、「一番早いのは網膜だ。(治療に至る)準備はほぼできている」と述べ、後は国などの許認可を得るだけだとの認識を示した。 網膜での臨床研究は、失明の原因となる加齢黄斑変性の治療が対象で、来年にも先端医療センター(神戸市)などの研究チームが始める予定。 山中さんは、▽iPS細胞から網膜の細胞へと変える技術が確立されている▽網膜は移植する細胞の数が少なくて済む――などの理由を挙げ、「万一、細胞の増殖などの副作用が起きた場合も、いち早くキャッチでき、異常な部分をレーザーで焼いて除去することができる」と説明した。 iPS細胞から出血時に血液を固める働きを