映画『国宝』。映像の美しさ、役者たちの迫真の演技に圧倒されました。しかし物語が進むにつれ、私は次第にその世界の外側に取り残されていきました。ストーリーの省略が多く、登場人物の心の動きにうまく寄り添えなかったのです。 それが悔しくて、原作も手に取りながら、物語の空白に意味を探しました。すると、二度目の鑑賞では、まるで別の映画のように深く胸を打たれたのです。このnoteは、そのときの考察を解説したものです。私と同じように物語に置いてきぼりを感じた方も、すでに『国宝』を傑作として堪能された方も、この作品をより深く味わう手がかりになれば嬉しいです。 そして最後には、ほとんどの人が気づいていないであろう、ラストシーンの意味を読み解いています。どうぞ最後までお付き合いください。 ※以下、ネタバレ全開ですのでご注意ください。 ◉なぜ春江は喜久雄のもとを去ったのか?映画を見ていて、最初にひっかかったのがこ

