本は人を創り、人を変え、人を育てる。時間に余裕があるゴールデンウイークに「読む本がまだ決まっていない」というあなたに、フリージャーナリストの佐々木俊尚さんが選りすぐりの3冊を紹介する。 * * * 『二十億光年の孤独』(谷川俊太郎 著、川村和夫 翻訳、W.I.エリオット翻訳/集英社文庫)は書く仕事を目指したキッカケの詩集。作者が21才のときに綴った作品で、すでに60年あまり経過していますが、言葉のひとつひとつが鮮やかできれい。高校時代に買ったものはボロボロになってしまったので、改めて愛蔵版を買いました。もう暗記するぐらい読み込んでいるので、今や自分の血肉となっていますね。 また、ぼくは昔から料理が好きで、最近“家めし”エッセイを出版しましたが、これは『食卓の情景』(池波正太郎/新潮文庫)のような作品を今の時代に再構築できないかという思いから。池波さんの本に登場する料理は、とてもシンプルなの