購入して読んでみると、なんと偶然にも、これが『信長革命』の著者への批判が書かれている本だった。ちょっと地雷を踏んだ感じ。 内容は、基本的には「最も信頼のおける史料を見れば、戦国時代のいくつかの逸話や歴史上の陰謀論は嘘」で、”桶狭間の戦いも普通の戦略と偶然で勝った” ”鉄砲三段撃ちも武田騎馬軍団もなかった” ”本能寺の変陰謀論などとんでもない” というような話になっている。 おそらく市井の歴史家として学者の世界から無視されたり、蔑まれたりしたことが多々あったことを感じさせる、恨み節めいた負の雰囲気を漂わせる著者の語り口はそんなに心地良いものではないが、その内容は、素人である私には、おおむね合理的に感じる本だった。 しかし、読みながら思ったのは、そうやって歴史の正しさを検証していくと、ずいぶん歴史はつまらなくなってしまうな、ということ。「信長って結構普通の人だったんだよ」と言われるより、「実
![『妄想かもしれない日本の歴史』 - HONZ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8052a7dfbe385d9a99b6c1437f041dd81d12feca/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51maAJug7aL.jpg)