〈九勝六敗を狙え〉(『うらおもて人生録』新潮文庫)。名うての雀士としても知られた作家の色川武大(別名・阿佐田哲也)は、人生を大相撲に擬(なぞら)え、勝ちすぎても負けすぎてもいけず、ほどよく勝ち越すくらいがちょうどいいのだと説いた。しかし、その「ほどよく」が難しい……。勝ちすぎた挙句、負けすぎてしまった伝説のプロ野球日本シリーズの「主役」が、〈3連勝4連敗〉人生を振り返る。 *** 1989年、近鉄バファローズ(当時)と巨人による日本シリーズは、今でも語り草となっている。 近鉄が初戦から3連勝を飾り、3戦目に先発した加藤哲郎投手(51)は試合後のヒーローインタビューで、 「打たれそうな気がしなかった」 「シーズンのほうがよっぽどしんどかった」 と、豪語。すると、翌日のスポーツニュースで彼の発言は、 〈巨人は(パ・リーグ最下位の)ロッテより弱い〉 こう報じられた。 これでプラ
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