性暴力の専門家たちが注目する“ポリヴェーガル理論” 去年12月に出版された『なぜ私は凍りついたのか ポリヴェーガル理論で読み解く性暴力と癒し』。“ポリヴェーガル理論”という神経生理学の理論で性暴力に迫ろうと、長江美代子さん(看護師・公認心理師)や山本潤さん(当事者団体「Spring」)など、さまざまな立場の専門家・当事者・支援者らが著者に名を連ねています。 編著者の公認心理師・花丘ちぐささん この本の編著者を務めた、公認心理師の花丘ちぐささんです。花丘さんは、ポリヴェーガル理論による性暴力へのアプローチは、被害者が直面する恐怖や切迫感を、誰にでも備わっている神経系の働きから捉えることで、これまでの誤解や偏見を変える大きな可能性があるといいます。 「被害に遭ったときに抵抗できたかどうかは、個人の問題ではなく、人間の生理的反応なのだと社会や法の専門家に理解してもらうことで、性暴力についての刑法
