東京電力の廣瀬直己社長は、本誌の取材に「聞いていません」とだけ答えた。なぜ入札を隠蔽するのか〔PHOTO〕岡内正敏 台風26号の豪雨で、福島第一原発は汚染水のダムと化した。漏水防止用の堰から放射能を含んだ雨水が溢れ出し、海へと流れ込んだ。現場作業員は言う。 「東電の想定が、甘すぎた。30~40mm程度の雨量と見込んでいたようだが、実際には100mm以上の雨が降って、あっという間に溢れ出した。東電の汚染水対策は、施設も人手も常に後手後手です」 東京電力はメガバンク3行、地銀、原子力損害賠償支援機構から合計約6兆円もの巨額融資、出資を受け、汚染水対策など原発事故の処理に当たっている。とにかくカネが足りないのだ。 東京電力自身も、次々に資産を切り売りしているが、焼け石に水。大きなものでは東京・杉並区内のグラウンドを60億円で杉並区に、銀座支社本館の土地建物を235億円で読売新聞グループ本社などに
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