「日本語ができないだけで契約を断る。差別ではないか」「契約のとき、暮らしのルールも教えてほしい」。不動産の賃貸契約について、外国人メンバーが次々に経験談を語りだした。近くに座る地元の不動産業者らがペンを握り、内容を書き留めていく。 3月下旬、東京・新宿区役所で開かれた「多文化共生まちづくり会議」。在住外国人と日本人の住民代表らが同じテーブルを囲み、共生の課題を話し合う枠組みを、区が発足させて5年になる。 これまで扱ったテーマは教育、防災、住宅…。言葉の壁で埋もれがちな悩みや要望が、外国人メンバーの口から明るみに出た。自治体が音頭を取り、外国人と行政、住民、民間が知恵を出し合う「プラットホーム」が機能している。 「ではどうすれば借りやすくなるか、具体的に考えましょう」。不動産契約を巡る外国人の不満を受け、進行役の大学講師が呼び掛けた。会議は来年夏にも改善に向けた提言をまとめる。区は不動産業界