[book] 『観念論ってなに?』講談社現代新書 冨田 恭彦・著/講談社/ISBN:4061497588 今だからこそ、観念論を問い直す 「世界なんて、所詮自分の心の中にある観念にすぎない」と思いたがる傾向の人は結構いる。 逆に、誰かがそんなことを口にしようものなら、躍起になってその考えを否定しようとしたがる人もかなり多い。 どうなんだろう? ということをかなりわかりやすく書いてくれた本。 バークリとロックという17〜18世紀の哲学者をめぐる議論ではあるが、大変親切丁寧で、大事なところは繰り返し書かれていたりするので、「バークリもロックも知らない」という人でも大丈夫だ。 「観念論」というと、唯物史観の人たちから問答無用で叩かれた時代もあったし、今でも一般的には「非現実的」「非科学的」のようなネガティブなイメージだろう。しかし、じつは「この目で見ている世界は、本当にその通り実在するのだろうか