「来年のことを言えば鬼が笑う」−というが、労働力人口(15歳以上の就業者と求職者)の場合、20年先までほぼ見通せる。今年生まれの子供の多くが20年後までに就労時期を迎えることを考えると、平成42(2030年)までの労働力人口は「既に生まれた世代」で構成されることになるからだ。2030年は未来ではなく「現在」なのである。 厚生労働省の推計では2030年の労働力人口は、女性や高齢者などの就労が進まない限り、現在より約1070万人減の5584万人となる。問題は2030年以降だ。このまま少子化が続けば、最悪シナリオでは2050年に現在の3分の2弱まで落ち込む。 政府が出生率反転の「ラストチャンス」と期待をかけてきた団塊ジュニア世代(1971〜74年生まれ)も30代後半となった。彼女たちが出産期を過ぎれば子供を産める女性数は急減する。 政府が思い切った手を打てないでいるうちに、少子化に歯止めをかける