「あらたふと青葉若葉の日の光」 俳人芭蕉が日光を参拝したのは新緑の季節、青葉若葉と射し漏れる日の光に、得も言われぬ生命観の偉大さと厳かさを感じ取り、詠んだ一句です。芭蕉ならずとも、大自然の息吹に浸って己の身体を躍動させることは自然の生命力に触れ、自然と融合し、自然のパワーを体内に取り込めるような気がします。気がするだけではなく、実際に森が発するフィトンチッドを浴びる森林浴の健康効果も報告されています。 私はもともと山歩きが好きだったので、走力がついてくると自ずと山を走るようになりました。そのきっかけの一つは、海外登山中に遭難死された下島渓さんが書かれた『ランニング登山』(山と渓谷社)です。この本を読み、それまでは、2泊3日ぐらいかけるのが常識と考えられていた登山コースを1日でこなせると知り、時間がなかった自分もやってみようと思ったわけです。 自分なりにコースを組み立て、「山岳」と呼ばれるよ