永沢徹(弁護士) 【第49回】 2008年10月17日 J-REIT初の破綻 ついに不動産投資ファンドも淘汰へ ――格付け会社より正しかった市場の判断 サブプライム問題に端を発した信用収縮の余波がついにここまで来た。それは、J-REITの初の破綻。ニューシティ・レジデンス投資法人(以下、ニューシティ)が資金繰りに行き詰まり、今月9日、東京地裁に民事再生法の申請を行なったのである。これは2001年の「REIT(上場不動産投資信託)」市場創設から7年目にして、初めての破綻となる。 ただ、今回のJ-REITの破綻は、一般の事業会社との破綻とは性質が異なる。今回はそれについて考えてみたいと思う。 不動産バブルを支えた 私募ファンドとJ-REIT その前にまず、J-REIT誕生の背景から。J-REIT設立の原点には、バブル崩壊がある。バブル崩壊後の90年代、不良債権処理に苦しんだ銀行や企業が