デバイス古今東西(46) ―― 日米の半導体商社を比較:メガ商社化の波にのまれるか,業態を生産者寄りに変えていくか 山本 靖 前回のコラムでは,米国の半導体商社が集約・再編を遂げ,北米市場は寡占化されたことを述べました.資本集約化が進み,規模と範囲の経済を追求した結果,流通機能の強化にまい進している米国の半導体商社と,現在の日本の半導体商社の間には,いくつもの相違点があります.ここでは,日米半導体商社の構造の違いを説明します.そしてメガ商社化を志向しない日本の半導体商社が目指すべき方向性について思うところを述べます. ●グローバル路線を突き進んだ米国,販路が限定的だった日本 2000年に世界第3位の半導体商社となった英国Memec Group社(創業1974年,現Avnet社)の創業者であるDick Skipworth氏と会食したとき,彼が創業前に苦い経験があったことを吐露していました.そ