改めて考えてみると、「独り言」って不思議だよなあ、思う。 本来は他者に向けられるはずの「言葉」を、誰に対して発するでもなく、ただ口に出す。それを受けて答える人はいないため、存在するのは発せられた一瞬のみ。誰が耳にするでもなく、誰に拾われるでもなく、途端に消えてしまう、泡沫のような言の葉。 もちろん、その場には「独り言」を発する “独り” がいるのだけれど。その人が何を考えて言葉を発したのかは知れず、きっと、本人すらもわかっていないこともままあるんじゃないかしら。たまたまポロッと零れ落ちただけで、何の意味もない、次の日には存在すら忘れられているような。 独り言はどこから来たのか。 独り言は何者か。 独り言はどこへ行くのか。 見知らぬ誰かの独り言、よく知る友人の独り言 正直なところ、「独り言」についてポジティブな印象を持っている人って結構、少数派なんじゃないかと思ってる。──なんかブツブツ言っ