もはや、伝統的日本企業の成長を支えた「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」は機能不全に陥っている。あらゆる日本企業に組織再編や戦略の再構築が求められており、それは必然的に、人材活用のあり方の再考へとつながっている。また、人的資本に関する要請は日本企業に限らない。第四次産業革命と称されるような、世界的な産業構造の大変革が進んでいるからだ。そうした時代に求められるのは、「業績を担う人材」(パフォーマー)と「変革を担う人材」(トランスフォーマー)の力である。ただし、一人の人間が双方の才を両立できるケースはほとんどなく、それぞれが活躍できる体制を築くことが必須である。本稿では、オックスフォード大学サィード・ビジネス・スクール准教授のジョナサン・トレバー氏と、慶應義塾大学准教授の琴坂将広氏が、未来の企業が歩むべき道を論じる。 (本稿の英語版はこちらからご覧いただけます) いま、世界中の数多くの企