お寺にお供えされた菓子などを困窮家庭に届ける「おてらおやつクラブ」の活動が、奈良から全国に広がっている。寺院が子供の貧困問題に取り組む団体と協力し、毎月延べ約1万人にお下がりを送っているのだ。お寺の「ある」と社会の「ない」をつなぐ仕組みが評価され、昨年度にはグッドデザイン大賞を受賞。1252寺院と448団体が参加するまでになった。(小野木康雄) お寺の本堂に、お供えの食品がずらりと並ぶ。奈良県田原本町の安養寺で5月23日に行われた「おすそわけ発送会」。僧侶やボランティアら22人が、消費期限を確かめながら、3辺合計80センチの段ボール箱43個に詰め合わせていった。 名称こそ「おやつ」だが、必ずしも菓子ばかりではない。レトルトカレーにカップ麺、そうめん。この日は農家から寄せられたサツマイモやコメもあった。 事務局の坂下佳織さん(36)=奈良県川西町=によると、箱の中身は毎回異なる。お中元の後は