9月30日より放送開始するNHK連続テレビ小説『スカーレット』。戸田恵梨香さんが演じる主人公・川原喜美子のヒントになったのは、実在する信楽焼の陶芸家・神山清子さんだといわれているが、彼女は、作家・那須田淳さんがずっとその生涯を書きたいと願っていた人物でもある。彼女の伝記的小説ともいえる『緋色のマドンナ』(ポプラ社)はどのように紡がれたのか? 神山さんの魅力とともに、その裏側を那須田さんにうかがった。 ■時代の異端児でもあった父の教育が神山清子の“自由”の礎となった ――2005年にも神山清子さんの半生を描いた映画『火火』が公開されましたが、原作となった小説『母さん 子守歌うたって』の作者が、那須田さんの父・那須田稔さんと叔母の岸川悦子さんなんですよね。 那須田 淳氏(以下、那須田) はい。僕も当時、編集の手伝いをしていたので、神山さんのことは強く印象に残っていたんです。神山さんは、白血病に