前回、「人に何を言われようが寄り道をしたっていい。成功を焦らず、達成を求めよう」という話をした。「何がやりたいのか分からない」と批判を浴びることは、それだけ未知の領域にチャレンジしている証拠であり、むしろ可能性に期待してほしい、と。 こんな話を面と向かってすると、たいてい溜め息混じりの反応が返ってくる。 「中竹さんは強いですね。どうしたら周りに左右されない、打たれ強さを鍛えられるのでしょうか」 しかし私は「いや、逆ですよ」と言いたい。私は自分にまったく期待をしていないからだ。なんでも成し遂げられる人間だと思ったことは、一度もない。 私は、子どもの頃から劣等感の塊だった。小学校低学年の頃は、友達と比べて教科書の文字がうまく読めないことで苦労し(20歳を過ぎてからそれがディスクレシア、読字障害であったことが分かった)、高校で本格的にラグビーを始めた時も「足が遅い」という選手として大きな欠点を抱