日本におけるソビエト・ロシアアニメの代名詞的存在は、「カワイイ」の最高峰・チェブラーシカと、手塚治虫や宮崎駿にも影響を与えたユーリー・ノルシュテインであろう。しかしもちろん、ソビエト・ロシアアニメの世界は非常に多様で特殊で、そして未だ、ロシア国外では未知な部分の多い、隠れた宝庫だ。 強力な全体主義国家でありながら、ソビエトにおけるアニメーションにはプロパガンダ色は薄く、意外にものびのびした広がりを見せている。 シリーズアニメが少なく、その代わりに作家性が存分に発揮された短編アニメーションが数多く生み出されてきた。また、クレイアニメ、人形アニメ、切り絵アニメも豊富で、独自の魅力を放つのが特徴だ。 一方、数少ないソビエトのシリーズアニメは、ソビエト崩壊後も繰り返し放映され、またはソフト化され、何世代ものロシア人に愛され続けている。ソビエト崩壊に伴うアニメスタジオの民営化で、ロシアアニメは一転窮
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