「欧米コンプレックス」が混乱の発端 「コロナうつ」の発生を懸念する記事が目立つこのごろだが、重度のうつの体験がある私も実際に具合が悪い。もっともこの異常な状況下で元気がよいのは、メディアをジャックする「貴重な機会」を掴んだ一部の(自称を含む)専門家くらいのもので、仮に緊急事態宣言が解除されたところで、自粛要請が生み出した沈鬱な世相は容易に元へは戻らない。 コロナウィルスによる日本での死者自体は欧米に比べて圧倒的に少なく、一般人に求められる予防法が通常の感染症(たとえばインフルエンザ)と大差ないこともわかってきた。それでもメディアが「未曽有の危機」として報道を煽り、あれこれの対策リストを列挙するのは、むしろ国民を「躁的」な状態へ誘導してうつを緩和するためなのかとさえ、感じることがある。 かつてない初めての困難に立ち向かう経験は、人の心を奮い立たせるものがあるし、何より対応に失敗しても、そこま
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