被告人質問では、いやにフランクな老齢の弁護人が、書記官席のとなりにある高い机に肘をつきながら、 被告人の作品への愛情について確かめていた。 弁護人「あなたがさ、『オレイモ』を最初に見たのは、アニメ? アニメで知ったんでしょ?」 被告人「はい」(←声が小さい) 弁護人「本も買ったんですね?何冊?」 被告人「9冊……」 弁護人「何冊出てんの?」 被告人「10冊です」 弁護人「(10冊目は)持ってないの?」 被告人「まだ買ってない……」 愛情は衰えていないようで、10冊目を買うかのようなことを述べていたが、これについて弁護人は喝を入れる。 弁護人「あなた『これからも桐乃の信者でいこうと思う』って、調書にもあるけど、どうなのコレ?」 被告人「この発言は……作者、編集……被害者のことを思ってなかった……作品からは縁を切ろうと思ってます……」 弁護人「だからさ! 普通ね、犯罪関連のことから縁切るのが普