ルーキーの豪快な一発だった。 5月12日の対楽天戦。 ロッテ・伊東勤監督は、昇格したばかりのルーキー、加藤翔平をスタメンに抜擢した。すると加藤は、第1打席の初球をたたいて右翼スタンドにアーチをかけたのだった。 昨季のパ・リーグ首位打者・角中勝也が左太腿痛で離脱。その代役・加藤が活躍したことは、ロッテの選手層の厚さそのものを表しているといっていい。 12球団でもっとも外野のレギュラーが定まっていないチーム、それがロッテである。規定打席に達している打者が離脱中の角中だけしかいないのだ。 レギュラーが定まっていないということは、それほど全幅の信頼が置ける選手がいないことの証ともいえるが、ロッテの場合、その選手同士の競い合いがチームに大きな成長をもたらしているようだ。 開幕時は、中堅手に岡田幸文を置き、右に清田育宏、左に角中という布陣を敷いていた。ここに左投手の場合は伊志嶺翔大を起用するというのが