日本橋を写した写真。1872年頃撮影。露光時間が長いため、手前の人物が薄い影になっている(カンマーホフ博物館モーザー・コレクション寄託、東京大学史料編纂所撮影) 150年前、日本はどんな国だったでしょうか? 当時、二人のオーストリア人写真家が日本で撮影・収集した写真のガラス原板ネガを見れば、イメージが湧くでしょう。手のひらサイズのこれらの原板は、現在はオーストリアでしか直接見ることができませんが、200年以上の鎖国を終え急速に近代化し始めた幕末から明治時代初期の日本を知るユニークな手がかりを与えてくれます。 東京大学史料編纂所の研究者らは、2010年以降、計7回にわたってオーストリアの博物館や図書館に足を運び、所蔵もしくは保管管理されているこれらのガラス原板を高精細デジタルカメラで撮影してきました。 史料編纂所の保谷徹所長。編纂所エントランスに飾られた写真パネルの前で。後ろに出島が見える。