年齢も生き方も何もかも違う。でも…ただ、一緒にいたい――。「不揃いな2人(たち)」が織りなす物語。SNSで大人気百合漫画の長編エピソードが連載開始!
ひょうりゅう【漂流】 ( 名 ) スル ① 船などが海上をただよい流されること。 「嵐の海を-する」 「 -物」 ② あてもなくさすらうこと。 「余の考えがここ迄-して来た時に/草枕 漱石」 〜「大辞林」第三版(三省堂)より〜 周知のとおり、「漂流」とは海上や水上を漂い流れる様を表す言葉である。 今回、話をしていただいた方は、ヨットが航行中に転覆し、約1カ月もの間、漂流した末に救助されるというまれな経験の持ち主だ。海上をあてどなくさまよう中でいったい彼の身に何が起こったのか。そして何を食べ、何に耐え、どうやって生還したのか──。 1991年(平成3年)12月29日午後8時ごろ、グアムを目指す外洋ヨットレースに参加していた「たか号」が暴風雨によって太平洋沖で転覆。乗務員7人のうち、船内に残された1人が水死、残ったクルーの6人はライフラフト(膨張式救命いかだ)で避難し、太平洋上を南へと漂流し始
2006年、ドイツワールドカップ直前のメンバー発表でジェフユナイテッド市原(当時)からは巻誠一郎選手が選ばれた。その感想を求められたイビチャ・オシム監督は、一通りのコメントが終わった後、別の話を始める。 「まず、阿部(勇樹)が選ばれないことに対して、私はすごく残念です」 「ただ、1つ良かったことは、まだ彼には時間があるということです。だからこそ、ここに集まっている人たちに、逆に選ばれなかった選手たちのことを少し考えてもらいたいと思います」 そしてその年、オシム監督が日本代表を指揮するようになると、初戦のトリニダード・トバゴ戦こそ別大会の関係で招集できなかったが、その後はずっと阿部を招集し、守備ラインの中心に据えた。トレーニングでも阿部は他の選手にオシム監督の意図を伝える役割を担っていた。阿部がオシム監督にとって特別な選手なのは間違いなかったし、阿部のオシム監督に対する全幅の信頼も、いつも決
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