人の動き研究室は、1986年に「人の動き」を基本に「店」を分析した「入りやすい店売れる店(日本経済新聞社刊)」を出版しています。 当時は、バブル経済が始まり、スーパー・コンビニ・大型店門店が台頭し、それまで日本の商業の中心であった商店街が音をたてて崩壊しようとしている、商業における第一の激変期でした。 「人の動き」という観点からこの出来事を観察すると、それは店における人間関係の一大変革期ととらえることができます。すなわち、なじみ客を対象に「常連接客」を行ってきた商店街から、見知らぬ客(一見客)を対象に「一見接客」を行う店への大転換でした。客は、急速な都市化や販売競争の激化等を背景に、人間関係のしがらみにしばられた不自由な店を離れて、匿名性が守られ自由に買い物ができる店へと引きつけられていったのです。 そのような時代に、店員が店でどのような行動をすると客が遠ざかり、どのような行動をすると引き