Years of Lead ( 鉛の時代 ) 1969年といえば、前年のフランスに続いてイタリアでもアントニオ・ネグリ(Antonio Negri)の唱導するアウトノミア運動等の左翼運動が高揚し、「熱い秋」を迎えた年だった。その12月12日、ミラノのフォンタナ広場にある農業銀行で 時限爆弾が爆発し、死者17人、負傷者80数名の大惨事を引き起こした。この日ローマ他四か所でも爆発があり、事件は「同時多発テロ」だった。これがイタリアで初めての「無差別テロ」で、以後イタリアでは左右の武装組織によるテロが相次ぎ、「鉛の時代」(years of lead , it: anni di piombo)と呼ばれる重苦しい時代に入る。 この時代は1978年5月9日のモロ(Aldo Moro)元首相誘拐殺害事件で頂点を迎える。 1978年3月16日、キリスト教民主党総裁で元首相のアルド・モロがローマ北西のコルチ