小山田さんは活動テーマは「わかりあえない他者同士がいかにしてコミュニケーションしていくか」。1992年にダムタイプの作品「S/N」にて、仲間の美術家 古橋悌二氏のHIV感染の事実をカミングアウト。当時、日本社会の中で、「同性愛」や「エイズ」に関する議論がほぼタブーであった時代に、先進的に、医療分野からではなく、アートという分野から、この問題に関する啓発普及活動を進めて行きます。そして、舞台とともに、京都にて数々のコミュニティスペースを立ち上げ、そこに、様々な福祉に関わる当事者や支援者、医療関係者、社会活動家などが集まり、アートを「対話」のきっかけにし、普段の日常生活を過ごす我々が、様々な問題にいかにして「当事者性」を獲得するかといった議論を重ねていきます。小山田さんの活動から“福祉”という領域をどのように切り開いて行くのか、糸賀思想とのつながりは?どうぞお楽しみください。