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  • 鈴木いづみコレクション『恋のサイケデリック』(文遊社)解説

    「なんと、恋のサイケデリック!」。 ぼくが鈴木いづみに決定的に恋してしまったのは、この短編を読んだ瞬間だったと思う。いまにして思えば、この小説がぼくにとってのサイバーパンクだった。書き下ろしのこの作品を巻頭に置いて出版された鈴木いづみの短編集『恋のサイケデリック!』(そして、奇しくも彼女が自殺した年に刊行された、大原まり子の『処女少女マンガ家の念力』)は、魔術的リアリズムによって日の「現在」を切りとり、圧倒的なスピードで高度資主義社会の消費速度をも凌駕することに成功した、ある種奇跡的な書物なのである。 サイバーパンクSFとは、手垢にまみれたSFのガジェット(タイムマシン、エイリアン、宇宙船、パラレルワールドetc.)を捨て去り、コンベンショナルなサイエンス・フィクションの「懐かしくて居心地のいい閉じた世界」から決然と歩み去ろうとする試みだったと言うことができる。 そのためにウィリアム・

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