講演「特集 小川紳介と土本典昭」 2005年8月18日 佐藤真(映画作家) 佐藤です。どうも。土本さんもお見えになっていらっしゃいますね。『三里塚・辺田部落』と『不知火海』というこの二本の作品についてお話をせよということで、私には大変荷が重いと思っております。何せ、『不知火海』という作品は水俣シリーズのなかでも最高傑作だと思いますし、それから今観ていただいた『三里塚・辺田部落』も三里塚のシリーズのなかではやっぱり突き抜けた作品、最高傑作だと思います。私だけではなくて色々な人にとっても、やはりこの二本が土本さんと小川さんの作品の大きな峰の最高峰に位置していることだけは間違いないだろうということで、私などがお話をするのは大変僭越なんですけれども、この二本がなぜ三里塚シリーズと水俣シリーズの峰の頂点に立っているのか、立ち得たのかということについて、私の考えを述べさせていただきたいと思います。 な