同じ時代、それぞれの「新宿」で演劇のムーブメントを起こした寺山修司と蜷川幸雄。「血は立ったまま眠っている」('10)で、生々しく繊細な舞台を生み出した蜷川幸雄がこの秋、松本潤を主演に迎え、再びテラヤマワールドに挑みます!! 1966年に出版された「あゝ、荒野」は寺山修司が初めて手掛けた長編小説です。あとがきに作者自身が"東京都新宿区歌舞伎町を共作者兼批評家"として"モダンジャズの手法によって"、"即興描写で"書き上げたと記す本作は演劇人であるとともに、詩人、エッセイスト、小説家、評論家、作詞家、映画監督、歌人として唯一無二の存在感を放った寺山ならではの美学や思想、ドラマツルギーがふんだんに盛り込まれた長編叙事詩とも言える刺激的な作品です。今回はこの小説を初めて戯曲化しての舞台上演となります。 におい立つような架空の昭和の街「新宿」。そこで出会った二人の青年はまったく正反対のタイプであり