皆さま、こんにちは。 IDAJの伊藤です。 前回に引き続き、最適設計におけるAdjoint法の考え方をご紹介したいと思います。 Adjoint法は、Lagrangeの未定乗数法を応用した方法です。 Lagrangeの未定乗数法は、制約条件を考慮しながら関数の極値を求めるための方法です。制約条件とは、設計変数の取ることのできる範囲を等式で表したものです。不等式の場合もあるのですが、ここでは等式の場合のみを考えます。 いま、半径1の円に内接する長方形の面積を最大化する問題を考えます。なお、円と長方形の重心は共に原点にあるものとします。このとき、設計変数を長方形の長辺と短辺の長さの半分とし、目的変数は、最小化として定義したいので、長方形の面積に「-1」を掛けた値とします。また、円に内接するという条件から、長辺と短辺の長さはそれぞれ自由に決めることはできず、長方形の頂点が円周上にあるという条件式が