かつて書籍や雑誌の出版は、編集者とデザイナーと印刷所がそれぞれの専門性を活かした分業制でした。編集者が仕上げた原稿に対してデザイナーがレイアウト指定を行い、印刷所がそれに従って版を作成して印刷していました。 ところが1990年代後半から急速に普及したDTPの出現は、この分業制を変えていきます。DTPを使えばレイアウト作業もゲラの印刷も手元のPCで簡単にできるようになったため、コストや納期の圧縮といった事情もあって、デザイナーは最初にテンプレートを作る程度で、DTPを使って編集者が一人でほとんどすべての作業を行う現場が多くなりました。 カメラマンの世界でも、デジタルカメラの登場によって似たようなことが起きています。フィルムカメラの時代には、カメラマンが撮影したフィルムはプロ用の現像所で現像され、印刷所で見栄えの加工や調整が行われていました。 しかしデジタルカメラと高度なグラフィックソフトの登