●「受益圏の拡大と受苦圏の局地化」〜日本のダム建設が宿命的に有しているテーゼ 4年前、インターネット新聞JanJanの市民記者だったころ、JanJan編集部よりあるダム建設に関する専門研究書の書評を依頼されたことがありました。 当時の書評はこちらに記事になっております。 『ダム建設をめぐる環境運動と地域再生 対立と協働のダイナミズム』の書評 木走まさみず2005/02/18 http://www.book.janjan.jp/0502/0502163654/1.php この本自体は、「あとがきに記されているのだが、そもそも本書は、東北大学大学院にて著者が5年間の研究を総括した博士論文をもとにしたものであり、序章から終章まで論文形式の記述方法で一貫している専門研究書」なのであり、「その内容の専門性と徹底的なフィールドワークで実証した情報量と引用文献の量に圧倒されるが、環境社会学という手法によ